予備試験に合格するための勉強法【全体編1】
ここからは、予備試験と司法試験に、働きながらも独学で一発合格できた私の勉強法をご紹介していきたいと思います。
私の勉強法における仮説として、予備試験•司法試験の特に論文試験の能力については、①時間無制限かつ教科書•判例集を参照してよければそれなりの答案が書ける段階と、②試験本番と同様の条件でそれなりの答案が書ける段階の2段階に分かれると考えています。
まずは①を目指して大枠の理解、法制度の全体像や対立する価値観といった基本的な事項を掴む。さらにいえば、①には相手に分かる日本語を書くということや、いわゆる法的三段論法に従って議論するということ、あるいはそれ以前の問題ですが、条文や問題文といったテキストをちゃんと読むといったことも、含まれると思います。
そして、その中で覚えるべき判例や学説の範囲が見えてくるので、その後②の段階に移行するということです。この段階では暗記の重要性は上がりますが、闇雲な暗記ではなく全体像を踏まえたものなので負担は比較的小さいかと思います。
社会人の場合、①までのハードルは思いの外低いのではないでしょうか。仕事のメール含め、何かの文章をしっかり理解して読むこと、そしてそれへの応答として相手方に伝わる文章を作成することの重要性は、学生の頃とは大違いです。さらに、何らかの形で法律に関する仕事に携わっていれば、専門性のある各分野におけるものとはいえ、法的三段論法を使うことはできているでしょうし、①の素地は十分だと思います。
実際、①の素地があったからこそ、効率よく②に向けての暗記や時間内の答案作成といった段階に進むことができましたし、大学生の頃はこの①の素地、あるいは素地の素地、を欠いていたがゆえ、法律が楽しくなかったんだろあと思っています。
次回以降は、この仮説を前提として、各段階での勉強法についてご紹介します。